碇ゲンドウのプロフィールを紹介!

特務機関ネルフの総司令官で碇シンジの父親、年齢は48歳の壮年男性です。特徴は短髪にエイブラハム・リンカーンを思わせるような顎鬚でいつもサングラスと白い手袋をしています。碇家に婿養子として入籍おり、性格は冷静沈着で冷酷無比、自分の目的のためにはいかなる犠牲をも厭わないような冷酷漢です。

非常に有能な策謀家であるため、人類補完計画を進める秘密結社ゼーレから、特務機関ネルフの活動とエヴァンゲリオン運用に関するすべての権限を与えられています。

特務機関ネルフの司令を務める

碇ゲンドウは国連直属の非公開組織の特務機関ネルフの司令官を務めています。ネルフは表向きは対使徒殲滅を目的とする武装組織で使徒殲滅に関して国連の枠を超えた法規的な権限をもっています。特にエヴァンゲリオンの運用・管理や対使徒迎撃作戦の立案・遂行においては他組織の介在しえないほど強い権限を持っています。
しかし特務機関ネルフが結成された本当の目的は、国連の背後で暗躍する秘密結社ゼーレが計画する「人類補完計画」を遂行するためで、そのゼーレよりネルフ運営のすべての権限を与えられているのが碇ゲンドウです。

また特務機関ネルフには、エヴァパイロット選出を目的とする「マルドゥック機関」やL.C.Lの研究をする外資系のケミカル会社「シャノンバイオ」等、108を超える下位組織があり、そのすべてが碇ゲンドウの指示によって運営されています。

主人公、碇シンジの父親

碇ゲンドウは、幼かった息子シンジを育児放棄同然で知人の元にあずけており、以後シンジとはエヴァ初号機の適合パイロットに選ばれるまで絶縁状態でした。つまり息子の碇シンジとの親子関係は最低最悪です。
ゲンドウは自身の野望を叶えるため、初号機パイロットに選出されたシンジを自分の駒の一つとして呼び寄せています。シンジに対する態度も親子としてではなくネルフ司令官として接しており、使徒の殲滅に関しては息子に対し非情ともいえる判断を突き付けることも少なくありません。

しかし、妻碇ユイの墓参りのシーンでは、ネルフ総司令として多忙にもかかわらず時間を割いてまでシンジと共に墓参りをしています。冷酷ではあるものの人としての愛情はあったようですね。

 

 

碇ゲンドウはなぜ手袋をしているのか。

碇ゲンドウはいつも白の手袋をしています。なぜ手袋をいつも着用しているのかは諸説あります。妻碇ユイの面影を残すエヴァ零号機パイロット、綾波レイを零号機稼働実験の事故から救い出す際に高温のエントリープラグを素手でこじ開けたため負傷した両手のやけど跡を隠しているという説が一番有力説です。

しかし、伏線として物語後半の右手に同化したアダムの幼生体を隠すことが白手袋を常に着用している目的であるという説もあり、見る人によって白手袋の秘密の捉え方が異なってきます。面白い説では、重度の潔癖症説や、中二病患者が力が暴走してしまうのを防ぐため包帯や眼帯をするように、中二病をアラフィフおやじが引きずっている説などもあり、自分で考察してみるのもいいでしょう。

碇ゲンドウと赤木リツコとの関係性は如何に?

碇ゲンドウは妻の碇ユイがエヴァ初号機の稼働実験テストにおいて事故のため消失して以降、赤木リツコの母でスーパーコンピューターシステム「MAGI」の開発担当者だった赤木ナオコと愛人関係を結びます。目的はゲンドウがゼーレや国連に対して、情報操作と機密情報の隠匿を行うためでした。

更に赤木ナオコが不慮の事故と思われるものによって亡くなると後任である娘の赤木リツコとも愛人関係を結びます。しかしそこには妻ユイに向けた様な愛情は一切ありません。

ゲンドウは「人類補完計画」野望遂行のため、全ての機密情報を管理するコンピュータ「MAGI」の運営・管理する立場にある赤木リツコを自分の手持ちのカードの1つとして保持するため愛人関係を結びました。更に利用価値が無いとわかると切り捨てており、最終的には赤木リツコを自らの手で射殺しています。

 

 

ゼーレとは違う碇ゲンドウの真の目的

秘密結社ゼーレが計画する人類補完計画は、全人類を人の手によってより高次元の存在へと進化させ、すべての人類の意思を肉体と魂の枷から解き放ち一つの統合体にするというものでした。

ゼーレの人類補完計画に対し、ゲンドウが企てる人類補完計画は、ゲンドウ自身が統合体となった人類よりも更に高次元の存在、つまり神になるということでした。その真の目的は、かつてエヴァ初号機の稼働実験において事故のため失われてしまった妻碇ユイにもう一度会うためという理由です。

その為ゲンドウの行動原理は彼が進める人類補完計画遂行に重点を置いており、その為にどんな冷酷な判断や残酷な犠牲をも惜しまない行動をとっています。

碇ゲンドウの名言集、意外と明言揃い!?

碇ゲンドウは劇中で様々な明言を残しています。ゲンドウは冷徹なセリフが多いのですが、中にはかなり奥深い意味を持ったセリフも存在します。そんなゲンドウの名言セリフをピックアップします。

「時計の針は元には戻らない。だが、自らの手で進めることは出来る」

 

アニメ「第弐拾弐話」において、ゲンドウが自身が企てた「人類補完計画」のシナリオの予定時間を早めた時に言ったセリフです。伏線ともとれる重要なセリフですが、実社会においても通用する教訓的な意味が含んでいるセリフです。

「所詮、人間の敵は人間だよ。」

 

アニメ「第拾壱話」でネルフ本部の停電が、意図的に引き起こされた際にゲンドウが放ったセリフです。全人類の共通の敵である使徒を前にしてもなお争いあっている人類に対して言ったセリフで、脅威が目前に迫っていても足を引っ張ろうとする人間たちに向けた痛烈な批判を含んでいます。

「人は思い出を忘れることで生きていける。だが、決して忘れてはならないこともある。」

 

アニメ「第拾壱話」で息子のシンジと共に墓参りをするシーンで妻ユイの墓前で息子のシンジに向けたセリフです。シンジに対していつも冷淡なセリフが多いゲンドウですが、劇中に唯一父親らしい側面を伺わせるセリフとなりました。

 

 

碇ゲンドウは最期どうなった?

TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』と新劇場版『新世紀ヱヴァンゲリヲン』シリーズでの碇ゲンドウの最後は大きく異なります。
TVアニメ版での碇ゲンドウの最期は、ゲンドウ自身が全知全能の存在になるため第1使徒アダムの幼生体を自身の体に取り込み、第2使徒リリスの魂の器となった綾波レイと同化しようとしましたが失敗する、というものでした。同化を拒否した綾波レイに右手にあるアダムの幼生体を右手ごと奪われます。その後、射殺したはずの瀕死の赤木リツコによって喉を拳銃で撃たれ死亡しました。

一方、新劇場版での碇ゲンドウは、『新世紀ヱヴァンゲリヲン:Q』にて、ほぼ壊滅状態のネルフで指揮をとっており、葛城ミサト率いる反ネルフ組織ヴィレと対立しています。更にエヴァンゲリオン13号とロンギヌスの槍2本を使い「フォースインパクト」を引き起こすべく暗躍中です。

なぜ全てを犠牲にしてまで碇ユイに執着するのか。

碇ゲンドウの目的は人類補完計画である、というのがストーリーの重要なポイントになっています。しかし、ゲンドウの本当の目的は人類の救済ではありませんでした。彼の本当の目的は亡き妻である碇ユイに再会することでありその為にゼーレも、息子であるシンジも、己の計画を進めるコマの1つとして利用していました。

ゲンドウのユイへの強い気持ちはコミック版にてゲンドウ本人から語られており「ユイは自分にとっての光だった」と言っています。尊大で孤高に見えるゲンドウですが、本質は内向的で人を信じられないタイプだったのでしょう。彼にとって碇ユイという人物は、彼を許し愛してくれた世界でたった一人の人物。コミック最終巻でシンジに「お前なら、私の気持ちがわかるだろう。絶望しかないこの世界を」と言っている通り、ゲンドウにとってユイのいない世界は絶望そのものだったのかもしれません。

冷たく暗いイメージの彼は、実は狂おしい程に純真な人物だったのではないでしょうか。もし、ユイがそんなゲンドウの純粋さや一途さ、愛らしさに気が付いていたのだとすれば、ユイが周りから疎まれ悪い噂の絶えないゲンドウのことを「かわいい人」と称していたのも納得です。

なぜ息子、碇シンジを愛すことができないのか

碇ゲンドウと息子シンジの仲は冷え切っている、というのはエヴァを語る上では大前提となります。ではなぜゲンドウはそこまで頑なにシンジを拒絶するのでしょうか。

もちろん、ゲンドウ自身が不器用な男で息子を上手く愛せなかった、というのもあると思いますが、大きな理由はやはりユイにあります。

コミックの中で、ゲンドウはシンジに対し「ユイの愛情を受けるお前が憎かった」という旨を伝えています。「ユイ=世界」といっても過言ではないほどユイを愛していたゲンドウにとっては、ユイの愛情を一心に受ける息子でさえも自分の世界を邪魔する存在だったということです。

また、エヴァの実験中にユイを失ったこと。そのユイがエヴァの中の意識だけの存在となってもシンジを選び続けることもゲンドウを苦しめていたのかもしれません。

ゲンドウは一方的にシンジを憎んでいた。そう思われても仕方ありません。しかし、最期の瞬間を迎える前、ゲンドウは再会したユイに、シンジについて「あの子に苦しみしか与えられなかった」と告げています。息子を拒絶し続け、愛することを否定し続けたゲンドウですが、心の奥底では本当はシンジを愛したいという気持ちがあったかもしれませんね。

碇ゲンドウについて理解を深めることができましたか?

新世紀エヴァンゲリオン (1) (カドカワコミックス・エース)

 

 

使徒殲滅を総指揮するエリートであり、その性格や思惑には奥深いものが隠されている難解な人物、碇ゲンドウ。彼のプロフィールや性格などを紹介してきました。

これを読んでからもう一度エヴァを鑑賞すれば、初めてエヴァを見たときにはわからなかったゲンドウの意図がわかるようになるかもしれません。エヴァは何度観ても楽しめるアニメです、これを機会にぜひもう一度鑑賞してみては?